蕁麻疹について ①
みなさまこんにちは。
今日は蕁麻疹についてお話していきます。
【蕁麻疹とは?】
蕁麻疹とは、皮膚の一部に膨疹(ぼうしん)と呼ばれる少し膨らんだ発疹が現れる病気を指します。蕁麻疹の膨疹には、痒みがあります。
原因の特定できない特発性が多いのですが、食物やストレスをきっかけに発症するものもあります。
多くの場合、数時間で個疹は消失します。症状は数日中に軽快する場合が多いですが、なかには慢性的に経過することもあります。
蕁麻疹は、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤なアレルギー反応として現れることもあります。これは命に関わることもあるため、早急に医療機関を受診して迅速な対応が求められます。
【蕁麻疹の原因は?】
蕁麻疹は、「アレルギー性」と「非アレルギー性」の2つにわけることができます。
どちらもヒスタミンという物質が関わるという点では同じです。大きな違いは抗体という体を守る免疫が関わっているかという点です。
・アレルギー性
アレルギー性の蕁麻疹は、食品・薬・植物・虫刺されや動物の毛など、アレルギーの元となる原因物質が、体に入ってきた際に体を守る抗体が反応することで、蕁麻疹のきっかけとなるヒスタミンが皮膚の真皮にあるマスト細胞から分泌されて起こります。アレルギーの原因物質が体の中に入ってから、15分から30分程度で症状が現れることが多くあります。
原因物質の特定には、医師の問診による症状の経過と、血液検査や皮膚に注射をする皮内テストなどを行います。
・非アレルギー性
非アレルギー性の蕁麻疹は、抗体が関わらない形で蕁麻疹が起こります。
寒暖差・摩擦・日光・汗や造影剤の注射などが原因となることがあり、抗体を介さないでヒスタミンが分泌されて蕁麻疹が起こります。
非アレルギー性の蕁麻疹は、食品でも起こることがあります。ヒスタミンの材料となる「ヒスチジン」というアミノ酸が多く含まれている食品(カジキ・サバ・イワシといった赤身魚など)で適切に保存できていないなど、鮮度が落ちることでヒスタミンをつくる菌が増殖し、その結果食品中のヒスタミンが増えます。増殖したヒスタミンが含まれた食品を食べることで、大量のヒスタミンが一度に体に入り、蕁麻疹が起こります。なお、ヒスタミンは熱に強いため、加熱処理しても分解されません。
非アレルギー性の蕁麻疹は、造影剤などの薬剤が原因となっているものなど一部をのぞいて、原因がわからないことも多くあります。また、ストレスや疲労、感染症などが悪化の要因となることがあります。
次は治療についてお話していきます。
2021年4月16日