夏にかかりやすいとびひについて②
今回はとびひの症状についてお話していきます。
とびひには、幼児期に多い水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)と、幅広い年代に発症する痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)の2つの種類があります。
1.水疱性膿痂疹…黄色ブドウ球菌によって起きます。幼児期に多く、梅雨~夏場にかけて保育園などで集団発生することがあります。皮膚の中で繁殖した黄色ブドウ球菌が出す毒素によって、かゆみのある小さな水ぶくれができます。水ぶくれは数日で大きくなり、簡単に潰れてジュクジュクした傷になります。水ぶくれの中の浸出液には、たくさんの黄色ブドウ球菌が含まれており、これが引っ掻き傷やバリア機能の低下した皮膚に付着して、感染が広がっていきます。
2.痂皮性膿痂疹…主に溶連菌によって起きます。年齢や季節を問わず、突然発症します。はじめは小さな赤い腫れが次第に痛みのある膿疱(膿の入ったできもの)になり、さらにそこへ黄色味を帯びた厚い痂疲(かさぶた)ができます。炎症が強く、患部近くのリンパ節が腫れて痛んだり、発熱や頭痛、のどの痛みなどの全身症状が出たりすることもあります。
<とびひのタイプ別の特徴> | ||
水ぶくれタイプ(水疱性膿痂疹) | かさぶたタイプ(痂皮性膿痂疹) | |
原因となる主な菌 | 黄色ブドウ球菌 | A群β溶血性レンサ球菌 |
特徴 | ・虫刺されやあせもを掻きこわすことから始まることが多い ・かゆい ・水ぶくれができ、破れてただれる ・水ぶくれの液が触れた部分に広がる ・とびひの多くはこのタイプ |
・小さな膿疱が多数でき、それが破れてただれ、かさぶたができる ・患部に腫れや痛みを伴うことがある ・のどの痛みや発熱などを伴うことがある |
多い季節 | 夏季 | 季節を問わない |
多い年齢 | 赤ちゃん・幼児 | 年齢を問わない(大人にも起こる) |
2021年6月18日