低温やけどにご注意を!②
低温やけどの症状
やけどは、皮膚のダメージ度合いによって分類されています。
Ⅰ度 ・・・軽い症状です。
ヒリヒリとした痛みと、うっすらとした赤みが生じます。
Ⅱ度 ・・・水ぶくれが発生します。
浅い場合は強い痛みや赤みがあり、
深い場合は痛みがなく、赤くなったり、むらさきから白色になります。
Ⅲ度 ・・・皮膚が壊死していまい、病院での治療に2週間以上かかってしまいます。
痛みはありませんが、黒色や褐色、白色になります。
通常のやけどとの違い
通常のやけどは、皮膚の表面に熱が触れてしまうことで起こりますが、低温やけどは、皮膚の奥深くでじっくり進行してしまうので、通常のやけどよりも治るのに時間がかかります。
皮下組織が壊れてしまった場合は手術が必要となったり、感染症にもかかりやすくなるため
通常のやけどよりも、重症になることが多く注意が必要です。
2022年2月25日
低温やけどにご注意を!①
湯たんぽや使い捨てカイロで温まっていたら、肌がヒリヒリする・・・。その症状は低温やけどかもしれません。
低温やけどとは
皮膚に高温が作用して起こるやけどのうち、体温より少し高めの温度(44℃~50℃)で生じるものを「低温やけど」といいます。
これは、短時間の接触では問題とならない程度の温度が、長時間にわたって接触部分に作用することにより生じます。
そのため、自覚症状が現れにくいのが特徴です。
軽症と勘違いしがちですが、普通のやけどより重症化してしまう場合もあります。
低温やけどの原因
低温やけどの原因に挙がりやすいものは、電気カーペットや電気こたつ、電気毛布や電気アンカ、湯たんぽやカイロなどです。
例えば、電気カーペットの上で寝てしまった場合、あまり寝返りを打たずぐっすりと眠り込んでしまえば低温やけどになる危険性があります。
また、使い捨てカイロがまだ温かいからと、パジャマに貼ったり布団に貼り付けて湯たんぽ代わりに使うのも、低温やけどになりやすいものです。
2022年2月18日
花粉症対策はお早めに②
花粉症は、スギなどの植物の花粉で起こるアレルギー疾患です。
くしゃみ、鼻みず、鼻づまりといった鼻の症状や、目のかゆみ、充血といった目の症状などを引き起こします。
原因植物は多岐にわたりますが、トップはスギで、花粉症全体の約7割を占めると推察されています。
このため、多くの人はスギ花粉の飛散量が多い2月から5月にかけて、つらい症状に悩まされます。
また、この時期は、近年増加傾向にあるヒノキ花粉にも注意が必要です。
2022年は2021年の春より多くなる見込みですが、過去10年の平均花粉数を比較すると、ほぼ同じか、やや多くなる見込みです。
ヒノキ花粉も21年春より多くなるために花粉の飛散期間が長くなる見込みです。
花粉症の原因となる花粉は空気中に含まれているため、花粉症の症状を予防し、悪化を防ぐには、日常生活で花粉をできるだけ避けることが大切です。
日常のセルフケアだけでは十分に抑えることが難しい花粉による鼻炎症状も、本格的に花粉が飛び始める前に抗アレルギー薬を内服すると、飛散量が多い時期のつらい鼻炎症状を緩和してくれます。花粉による鼻のムズムズを感じたら、早めの受診で対処しましょう。
●当院でのアレルギー検査
当院では採血によるアレルギー検査を実施しております。
予約等は必要なく、受付または受診時にお伝えいただければその日に検査することが可能です。
検査項目はオーダーシートの中から最大で13項目お選びいただくことができ、何が原因か分からない場合にはアレルギー頻度の高い項目をまとめたセットもあります。
原因が漠然としている場合にアレルギーの有無を個別に特定し、予防に繋げることが出来ます。 検査結果は1週間前後で出るのでその頃にもう一度受診していただき、医師から結果をお伝えいたします。
花粉症対策はお早めに①
段々と日が延びてくるのを感じられるようになってきましたね。
毎年この時期になると気になってくるのが、花粉の飛散情報です。
2022年のスギ花粉の飛散開始は、九州から東北まで例年並みとなるでしょう。
2月上旬に九州や四国、中国、東海、関東の一部から花粉シーズンがスタートする見込みです。
冬らしい寒さにより休眠打破が順調に行われて、スギ花粉の飛散開始は各地で例年並みとなる見通しです。
スギ花粉は、飛散開始と認められる前からわずかな量が飛び始めます。
東京都では2月上旬に飛散開始が予測されるため、早めに花粉対策を始めるとよいでしょう。
スギ花粉のライフサイクル

『日本気象協会より抜粋』
マスク着用に関する皮膚症状について②
今回は皮膚症状の予防とマスク着用のポイントを紹介したいと思います。
コロナウイルス感染症の長期化とともにマスク着用期間も長くなってきています。
感染症予防にはマスクは欠かせないものですが、皮膚症状を予防した上でできるだけ快適に過ごすことが大切です。
①マスクはTPOを考慮して着用する
マスク着脱を繰り返すことによる乾燥や皮膚バリア機能の低下を防ぐため、外出を減らすことなどでマスクをしない時間を作る、室内に一人でいる場合はマスクを外して過ごすのも良いでしょう。人との距離なども考慮しながら、マスク着用について判断しましょう。
マスクの種類もさまざまあり、主にサージカルマスク(不織布)、布マスク、ウレタンマスクなどがあります。
時や場所などの環境に応じて選択して使用しましょう。
ウレタンマスクについては、原料となるイソシアネートによるアレルギー反応が生じる可能性があるため、注意しましょう。
②使い捨てマスクは毎回交換し、再使用可能なマスクは毎回洗濯する。
マスクに付着した皮脂や汗、化粧品や日焼け止めなどが接触皮膚炎の原因となる可能性もあるため、使い捨てマスクは再使用せず、1日使用したら交換しましょう。
再使用可能なマスクの場合は、マスクについて汚れをしっかり洗い落とすことだけでなく、洗剤や石鹸などのすすぎの残しのないように注意しましょう。
③汗をかいたら、拭き取るか洗い流して汗を残さない。
汗は接触性皮膚炎を引き起こす可能性があるだけでなく、アトピー性皮膚炎の増悪にも関わっています。
汗をかいたら、タオルなどでできるだけ早めに拭き取るか、洗い流して皮膚に残さないようにしましょう。
④マスク着用時には、マスクの下の化粧を薄めにするか、控える。
マスクで覆うことで、化粧品や日焼け止めによる接触性皮膚炎が生じやすくなる可能性があります。
マスクを着用する際は、化粧や日焼け止めを薄めにするなど、できるだけ皮膚炎のリスクを取り除くようにしましょう。
⑤マスク着用によるかゆみはできるだけ早く対処する。
かゆみ予防のためには、マスク着脱による刺激の軽減や抗原となる物質との接触を回避することが大切です。
また生じてしまったかゆみの軽減や掻き壊しの予防には、抗ヒスタミン薬の内服を検討します。
2022年1月28日
マスク着用に関する皮膚症状について①
新型コロナウイルス感染症に対する感染予防の一環として、マスクを着用する生活様式が続いています。
こうした状況を背景に、マスクが接触する顔面に皮膚症状やかゆみが生じるケースやアトピー性皮膚炎・ニキビ(尋常性ざ瘡)などの症状が増悪するケースが増えています。特にフェイスマスクに関する皮膚反応としてざ瘡、顔面の発疹、かゆみ症状、耳の後ろの発疹の順で多く報告されています。
湿疹・皮膚炎
〇発症・増悪のメカニズム
マスクの着脱の繰り返しにより乾燥した皮膚、バリア機能が低下した皮膚では、普段使用している化粧品や日焼け止めにより接触性皮膚炎をおこす可能性がある。
また、それらや汗による刺激でアトピー性皮膚炎の増悪が見られることもある。
〇治療
接触性皮膚炎が疑われる場合には、まずは原因物質の回避に努めます。
皮膚症状に対してはステロイド外用薬、かゆみ症状に対しては抗ヒスタミン薬が処方されることがあります。
ニキビ
〇発症・増悪のメカニズム
マスク着用による閉鎖環境において、汗や皮脂、細菌が閉じ込められていることによるざ瘡の発症増悪に繋がることがある。
〇治療
抗生物質の外用薬やアダパレン、過酸化ベンゾイル(BPO)などの外用の併用を行います。
2022年1月21日
手湿疹について ②
本日は手湿疹の治療についてお話していきます。
症状の程度に見合ったステロイド剤が処方されます。また、症状によっては、抗ヒスタミン剤の飲み薬も飲みます。
治療期間も個人、症状によって異なります。
きちんと保湿剤を塗って手入れをする、刺激物にはなるべく触れないようにするなど、日常生活のなかで手の保護を怠らないようにすることが大切です。
基本は、「水仕事は素手でなく、手袋をはめて行う」、「皮膚が乾燥しないようにワセリンなどの保湿剤でこまめに皮膚を保護する」といったことで、症状の原因となっている物質から皮膚を守ることです。
また、夜は、保湿剤を塗り、木綿の手袋をして休むのも一つの方法です。
症状や使った薬、手入れ方法の違いによって、その後の経過は変わります。
患者さんに合った治療法をお伝えしますので、少しでも手湿疹が気になる方は皮膚科をご受診ください。
2022年1月14日
手湿疹について①
今日は手湿疹についてお話していきます。
手湿疹とは、手のひらや手の甲、指に赤みのある腫れや水ぶくれ、かゆみ、ひび割れといった症状がみられるもので、症状は丸いかたちで現れたり、ぶつぶつとした発疹であったり、広範囲に広がったりと多様です。
様々な原因で手湿疹は起こります。
手のひらの皮膚表面の角質が厚くなることで、ぼろぼろはがれるような状態で、ひび割れができることもあります。同じような症状が足の裏にもみられることが多いです。原因は不明なことが多く、中年以降の男性によくみられます。
急に水仕事が増えた場合のほか、ピアニストや、キーボードを多用し、物理的に指先を酷使する職業の人も手湿疹になりやすいです。指の腹や手のひらの乾燥、ひび割れ、指紋消失などの症状が現れます。また、手のひらと足の裏に直径2~5mmの小さな水ぶくれが発生し(汗疱)、それがさらに何らかの刺激により手の甲や指側にも拡大し、かゆみを伴う湿疹状態になることもあります。通常、原因を回避できれば、自然に治ることもあります
皮膚のバリア機能が低下することで起こる手湿疹の特徴は手のひらや指全体の乾燥と亀裂で、水ぶくれはできません。冬場に症状が悪化することが多いです。
次は治療法についてお話していきます。
タコと魚の目の違い
今回は魚の目とタコについてご紹介します。
どちらも皮膚が硬くなった状態の疾患ですが、症状には違いがあります。
魚の目(鶏眼 けいがん)
皮膚の角質層が硬くなった膨らみの中央に、さらに硬い芯を持ちます。
この芯は、皮膚内部に向かってV字形に入り込むため、軽く触れたり歩くと強い痛みが生じることがあります。
また、ウイルス性のイボ(尋常性疣贅)との見分けがつきにくいのも特徴です。
放置していたらどんどん増えてしまった、というケースも多いため注意が必要です。
タコ(胼胝 べんち)
魚の目と同様に皮膚が硬くなりますが、患部が黄色味を帯びて盛り上がった状態になり、芯はなく痛みも伴いません。
靴と擦れやすい親指や小指、体重のかかる足の裏などに多くみられますが、「ペンだこ」や「座りダコ」など体のさまざまな場所にできます。
〇原因
足の変形や合わない靴、歩き方の癖によって、特定の場所に圧迫や摩擦を受けるのが主な原因です。
〇治療法
角質を柔らかくする塗り薬の処方や、特殊な器具を用いて芯や角質を除去します。
1回の来院で完治する事もありますが、大きく深さがある場合は何度か繰り返し治療を行う為、2週~4週に一度のペースで通院していただきます。
芯は見た目以上に深く入り込んでいます。
そのため、市販のスピール膏を使用したり、自身でカッターや爪切りを使って取り除くのは非常に難しいです。
また削り過ぎると、正常な皮膚を傷つけ細菌感染を引き起こすこともあります。
歩き方やサイズの合った靴に変えることで軽快する場合もありますので、まずは患部の状態を確認する為にもお早めにご相談ください。
2021年12月24日