夏場に多いあせもについて①
あせもとは専門用語では「汗疹(かんしん)」と呼びます。
大量の発汗に伴って、汗の正常な排出が妨げられることで起こる発疹です。
高温多湿下で、汗を出すための管が詰まり、皮膚の中に汗がたまることで起こります。
かゆみのある赤く小さな発疹が、たくさん汗をかいた部位に急速に現れます。
皮膚を清潔にし、涼しい環境で過ごすことで自然に消えていきます。外用薬でかゆみや炎症を抑えることができます。
原因は?
夏場など、高温多湿の環境で、大量の汗をかくことが原因で起こります。
汗を排出する管が大量の汗(汗の成分やホコリ)によって詰まり、行き場のない汗が皮膚の中にたまって周囲の組織を刺激することで発疹(小さな水疱や赤みのある丘疹)ができます。
暑熱環境や運動でたくさん汗をかいたり、通気性の低い衣服を着ていたり、ギプスを着用しているときなど、汗の量が増え、かつ通気が悪い状態のときによく起こります。
汗自体が刺激になってかゆみが起こる「かぶれ」もあせもと呼ばれることがあります。
2022年8月5日
汗疱(かんぽう)について
< 汗疱とは >
手のひら、手指、足の裏などに、透明で小さな水疱が急に多数現れ、とくに指の側面によくみられます。小さな水疱はくっつき合って大豆大にまでなることもあり、通常かゆみはなく、時に周囲に紅斑を伴って、強いかゆみや軽い痛みがあります。小さな水疱は次第に吸収され、通常2~3週間で丸い鱗屑(皮膚表面からはがれ落ちる角質)になってはがれて軽快します。
< 原因 >
なぜこのような事が生じるのかは、実ははっきりとは分かっていません。以前は汗腺や皮膚に異常があるわけではないと考えられていましたが、近年では研究が進み、エクリン汗腺の閉塞が原因なのではないかとも指摘されています。
汗疱を引き起こす誘因の1つとして、金属アレルギー(ニッケル、クロムなど)・喫煙・慢性感染(副鼻腔炎や扁桃炎)・ストレスによる自律神経の乱れなどが報告されています。しかし、なぜこれらが誘因になるのかもまだ明らかにはなっていませんが、これらの誘因によってエクリン汗腺が閉塞しやすくなり、発症するのではないかとも考えられています。
< 診断方法 >
白癬菌症(水虫)との鑑別のため、皮膚科で顕微鏡検査をします。足に白癬があってじくじくしている時には、白癬疹といって菌は感染していないのに手のひらや指にも小さな水疱が多発することがあります。
< 治療 >
小さな水疱が現れてかゆみがある時には、ステロイド外用薬が有効です。水疱が乾いて皮膚が丸い鱗屑になってはがれる時期には、尿素含有軟膏を手洗い後に塗ります。
初夏のころ手のひらや指に小さな水疱が多発して、かゆみがなく、数週間で軽くなってしまう場合は、なるべく水仕事をひかえ、めくれてきた皮膚をむしらないようにしましょう。
かゆみが強い場合や、年間を通じて症状がみられる場合には、詳しく診察や検査を致しますのでぜひ一度ご相談ください♪
2022年7月29日
薬疹(やくしん)について
薬疹とは?
薬を内服したり注射したりすることにより生ずるアレルギー性の発疹のことです。
薬に対して反応するような細胞や抗体がある人(これを薬に感作された状態と呼びます)にのみ生じます。通常、薬に反応するこのような細胞や抗体が出来るのには内服を始めて1~2週間程かかるので、そこで初めて発症すると考えられています。ですから全て内服したことのない薬で(アレルギー性)薬疹を生ずることはないはずです。もし、あったとすれば、それは既にその薬と似た構造を持つ他の薬に感作されていたと考えるべきでしょう。薬疹の中でも重症の薬疹とされているものに、中毒性表皮壊死症、スティーブンス・ジョンソン症候群があります。最近、これに加えてウイルスが関与する薬剤性過敏症症候群という病態の存在が明らかになり注目を集めています。これらの重症薬疹では、原因となった薬を中止しただけで良くならず、どんどん悪化しますので、早く対応することがとりわけ重要となります。(日本皮膚科学会HPより引用)
< 診断方法 >
問診にて、薬剤名、投薬期間、発疹との時間的関係、アレルギー歴や既往歴などの患者様の背景をお聞きし確認いたします。
< 治療方法 >
1.原因薬剤が明らかならば、該当薬剤を中止します。また疑いのある薬剤も中止可能でしたら中止します。
2.ステロイド薬外用と、抗ヒスタミン薬の内服を行います。重症例はストロイドの全身投与も行います。
3.重症の薬疹の場合は、周辺の総合病院へ紹介いたします。
湿疹や薬疹は区別がつきにくいため皮膚科医の診察をおすすめします。お気軽にご相談くださいませ
2022年7月22日
爪の切り方
足の親指の爪は正しく切れていますか?
爪のトラブルを避けるために・・・
①できるだけ入浴後など爪が柔らかい時に切りましょう
②爪が割れないように端から少しずつ切りましょう
③爪の先端が四角い形になるように切りましょう
④爪の先端が親指と同じ長さになるように切りましょう
⑤爪の両角を短く切り落とさないように注意しましょう
誤った切り方とは・・・
爪を長く残しすぎる。靴などに圧迫されて、痛みや爪の変形が生じやすくなる
爪を短く切りすぎる。先端の皮膚が隆起し、爪の伸長が妨げられて変形しやすくなる
爪の角を切り落とす。爪が皮膚に食い込んで、炎症や痛みが生じやすい
当院ではパンフレットを用いて爪の切り方をお伝えできますので、お気軽にご相談ください♪
2022年7月15日
”うおのめ”と”たこ”
よく耳にする“魚の目”と“タコ”。どちらも皮膚が硬くなった状態の疾患ですが、症状には少し違いがあります。今回はこの2つについてご説明いたします!!
< それぞれの特徴 >
魚の目(鶏眼)
真ん中に芯のようなものがあるのが特徴。皮膚内部に向かってV字形に入り込むため、歩いたりして靴や地面が患部に接触すると強い痛みを伴う場合があります。ウイルス性のイボ(尋常性疣贅)とも見分けがつきにくく、魚の目だと思って放置していたら、どんどん増えてしまったというケースも。硬い靴や、すり足などの歩き方の問題で起きやすいです。
タコ(胼胝)
患部が黄色味を帯びて盛り上がった状態になっており、芯はありません。皮膚表面に丸く突出していて、痛みを感じることも少ないです。扁平足や開帳足、サイズの合わない靴を履く事によって特定の部位にできます。
< 治療 >
どちらの症状も足の特定の部位に繰り返し刺激が入ることによってできます。患部が硬い場合、張り薬のスピール膏や塗り薬のサリチル酸を処方して、角質を柔らかくしてから削ります。1回の来院で完治する事もありますが、大きく深さがある際は何度か繰り返し治療を行う為、2週~4週に一度のペースで通院していただきます。歩き方やサイズの合った靴に変えることで軽快する場合もあります。
まずは患部の状態を確認する為にも気になるご症状がある場合は、お気軽にご相談ください♪
2022年7月8日
アクロコルドン
首や脇などにできる直径が約2~3㎜くらいの小さなイボのことをアクロコルドンやスキンタッグといいます。
首や脇など摩擦されるところに皮膚の突起が多数出てくるものですが、これは摩擦や日光照射などによる皮膚老化による皮膚の変化です。
一般的にイボと呼ばれるものは、ウイルス感染によるものと非感染性のものがあります。首や脇にできるイボのほとんどは非感染性で、アクロコルドンやスキンタッグと呼ばれるものです。
多くは中高年以降に目立つ事が多いですが、20代から徐々に症状がではじめます。皮膚の良性腫瘍の一種で心配な病気ではありません。
当院では保険診療にて治療することができます
①液体窒素をあてる冷凍療法
→-196℃の液体窒素でイボを凍結します。1~2週間後を目安にかさぶたになって自然に脱落します。
② ハサミで切る
→麻酔なしでハサミで切除します。チクッとした痛みが一瞬ありますが、ほとんど出血もありません。
医師の診察にて治療方法をご提案させていただきます
お気軽にご相談くださいませ✨
2022年7月1日
多汗症
多汗症とは
多汗症には全身に汗が増加する全身多汗症と体の一部に汗が増える局所多汗症があります。
〈 原発性局所多汗症の原因 〉
発汗を促す交感神経が人よりも興奮しやすいのではないかともいわれていますが、まだはっきりしたことはわかっておりません。
〈 原発性局所多汗症の症状 〉
幼少期~思春期ころに発症し、手のひら、足の裏は精神的緊張により多量の発汗がみられます。
腋窩多汗症は精神的緊張や温熱刺激によって左右対称性に脇の下に多汗がみられ、下着やシャツにしみができる程です。手足の多汗を伴っていることもあります。
< 当院での治療 >
塩化アルミニウム
自費診療となり、手のひらや足の裏に対しては単純外用/密封療法、腋窩については単純外用で有効です。
エクロックゲル
日本初の保険適用の原発性腋窩多汗症用外用薬です。
1日1回の塗布で個人差がありますが外用開始後数週間で効果が感じられることが多いので、お早めの治療がおすすめです♪
なかなか人には相談しにくいご症状ですが、お気軽にご相談ください(^^)/
2022年6月24日
汗疹(あせも)
暑い日が多くなり、汗をかく季節になりました
この時期になると増えるのが汗疹(あせも)の症状です。
【 原因 】
たくさんの汗をかいた時に、汗管という汗の出る通り道が詰まります。すると汗が皮膚の外に出にくくなり、皮膚内に溜まることで炎症を起こします。そのため、皮膚が痒くなったり、赤くてブツブツが生じます。
【 できやすい部位 】
頭、額、首、肘の内側、脚の付け根、膝の裏側といった、汗が乾きにくい部分です。
【 日常生活で気を付けること 】
・衣類は通気性、吸湿性の良い素材を選びましょう。
・こまめにハンカチやタオルで汗を拭き、肌を清潔に保ちましょう。
・汗をかいたら、シャワーを浴びて汗を流しましょう。
・かき壊しを防ぐために、ツメは短く切っておきましょう。
こまめケアで自然と治る場合もありますが、かゆみを伴うとかき壊して化膿したり、とびひを引き起こすケースもあります。
悪化させないために早めの治療が重要です。
気になる症状があれば早めに医師へご相談ください♪
2022年6月17日
スプレータイプの日焼け止め U・Vlockスプレー
当院ではサンソリットのU・Vlock(飲む日焼け止め)とU・Vlockスプレー(スプレータイプの日焼け止め)のお取り扱いがあります♪
今回は、U・Vlockスプレーのご紹介をします。
【特徴】
・顔、体、髪用として幅広く使用できる
・メイクの上から使用できる
・逆さまにしても使用できるので手の届きにくい場所にも塗りやすい
・白浮きせず、仕上がりがキレイ
・速乾性があり、ベタつきが少ない
【スキンケア配合成分】
オキソチアゾリジン:保湿成分 / アルブチン:整肌成分 / グリチルリチン酸ステアリル:整肌成分
パラベン不使用 / 無香料 / 無着色
・SPF50+ PA++++なので、屋外での軽いスポーツ・レジャーから炎天下でのレジャー・非常に紫外線の強い場所や紫外線に敏感な方まで幅広いシーンで活躍します♪
・忙しい朝に自分にはもちろん、お子様にも使いやすいです♪短時間で塗ることができるので嫌がらずに塗ってくれます♪
・診察なしで受付でご購入できますので、お気軽にお声かけ下さい!
2022年6月3日稗粒腫
稗粒腫は、“はいりゅうしゅ” または ”ひりゅうしゅ” と読みます。
稗粒腫は、皮膚の表面付近にできる直径1~2mm以内の角質が入った小さな袋です。
主に眼の周りや顔にできます。白い小さな粒で、“白いプツプツが出来た”と表現される方が多いです。
【原因】
①毛穴の奥にある毛包(もうほう)という袋や、皮脂をつくる腺の未発達なものに角質がたまって生じる。
②汗を出す管の再生過程で管の先端がふさがって生じる。
【治療方法】
当院で行う治療は、針で小さな穴を開けて圧出し、古い角質を取り出します。ただし、あまりにも小さい稗粒腫の場合は圧出が出来ないことがあります。
針を刺す時、圧出する時は個人差がありますがお痛みが多少あります。
稗粒腫そのものには痛みはないため、放っておいても問題はありません(^^)/
気になって取り除きたい場合や、気になる症状がございましたらお気軽にご相談ください♪
2022年5月27日