とびひ⑤
とびひ④
とびひ第四弾です。
本日は、治療方法と日常生活で気になる事をご紹介していきたいとおもいます。
〇治療方法〇
ごく軽い場合は抗菌薬の外用で済みますが、必要に応じて内服を併用します。
また炎症を抑える、患部を保護する目的で亜鉛華軟膏が処方されたり、痒みが強いので、抗ヒスタミン薬の内服をし、かきむしらない様に、病変の広がるのを押さえてあげることもあります。
〇日常生活で気を付けること〇
患部をかいたりいじったりしない
とびひは、患部を触った手を介して症状が体のあちこちに広がることがあります。
患部に触らないように注意し、引っ掻かないよう爪を短めに切るようにしましょう。
清潔を保つ
原因となる細菌を減らすため、皮膚を清潔に保つことが大切です。
患部はこすらず、石けんをよく泡立て、泡でていねいに洗い、その後はシャワーでよく洗い流しましょう。
発熱などの全身症状がない限り、入浴は避けてシャワー浴をし、泡だてたせっけんでやさしく丁寧に洗い流します。シャワー後は、排液などが周囲に接触しないように、患部に軟膏を塗り、ガーゼなどの保護処置が必要です。
タオルや衣服は共有しない
タオルや衣類を介してとびひがうつることもあります。共用しないようにしましょう。
プールへの参加
日本臨床皮膚科医会、日本小児皮膚科学会、日本皮膚科学会が共同で統一見解を出しています。
かきむしったところの滲出液、水疱内容などで次々にうつります。プールの水ではうつりませんが、触れることで症状悪化させたり、ほかの人にうつす恐れがありますので、プールや水泳は治るまで禁止するようにしましょう。
2019年10月4日
とびひ③
とびひのご紹介第三弾です!
〇どんな症状?〇
水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)
皮膚にできた水ぶくれが、だんだん膿(うみ)をもつようになり、やがて破れると皮膚がめくれてただれてしまいます。
かゆみがあり、そこを掻いた手で体の他の部分を触ると、症状が体のあちこちに広がってしまいます。
とびひの多くはこのタイプで、黄色ブドウ球菌が原因です。
痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)
皮膚の一部に膿をもった水ぶくれができ、厚いかさぶたになります。
炎症が強く、リンパ節がはれたり、発熱やのどの痛みを伴うこともあります。
主に化膿レンサ球菌が原因となりますが、黄色ブドウ球菌も同時に感染していることが多いです。
水疱性膿痂疹 | 痂皮性膿痂疹 | |
原因細菌 | 黄色ブドウ球菌 | 化膿レンサ球菌 |
症状 | 水ぶくれ、かゆみなど | かさぶた、リンパ節の腫れ、発熱、のどの痛みなど |
できやすいところ | 目・鼻・口のまわりから症状が出始めることが多く、やがて体のあちこちに広がる | 全身にできる |
かかりやすい季節 | 夏(暖房の普及で、冬でもみられる) | 季節に関係なし |
かかりやすい年齢 | 7歳未満の乳幼児 | 年齢に関係なし |
とびひ②
とびひ①
こんにちは!
夏ならではのイベントを楽しまれましたでしょうか?
これからまだまだっ!という方もいらっしゃるでしょうか?外での遊ぶことが多いこの季節はとびひのご症状でご受診される方が多くいらしゃいます。
数回にわたりとびひについてご紹介したいと思います。
とびひとは
民間で言われる俗名で、皮膚科の正式病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言います。
細菌による皮膚の感染症です。ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌(溶レン菌と略します)などが原因菌です。
接触によってうつって、火事の飛び火のようにあっと言う間に広がるから、たとえて“とびひ”と言います。
あせも・虫刺され・湿疹などをひっかいたり、転んでできた傷に二次感染をしてとびひになります。
また、鼻孔の入り口には様々な細菌が常在しているため、幼児・小児で鼻を触るくせがあると、鼻の周囲からとびひが始まったり、
その手であせもや虫刺されなどをひっかくことでとびひになってしまいます。
2019年9月13日
あせもの原因と対策②
前回はあせもの原因についてご説明させていただきましたが、今回は主な対策についてご紹介いたします。
〇あせもの対策、対処法
温度調整がしやすく通気性の良い衣服を身につけ、汗をかきすぎないようにする事が最も大切ですが、汗をかいてしまった後の対処法には以下の内容が上げられます。
・汗はかいたままにせず、こまめに拭き取る
・シャワーでしっかり汗を流し、乾いたタオルで十分に拭き取ってから衣服を着る
・汗をかいたらこまめに衣類を取り替える(特におむつや肌着など)
また、あせもができて掻きむしってしまうとそこからとびひを起こしたり、更に悪化してしまう原因となります。ステロイド等のぬり薬で症状を抑える事が可能ですので、気になる方は一度ご来院ください。
2019年9月6日
あせもの原因と対策①
8月も終盤に入り、毎日暑い日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。
この季節に起こりやすい肌トラブルの中に“あせも”があります。今回は”あせも”について詳しくご説明いたします。
① 主な原因
高温多湿や体温上昇による多量の汗によって、皮膚にある汗の通り道や出口が詰まり、汗が身体の外に排出されずその周辺の組織を刺激することによって発症します。
あせもができやすい場所として頭、額、頸、肘の裏側、脚の付け根やお尻等の汗をかきやすく、さらに乾きにくい場所が上げられます。
②あせもの種類
あせもには主に2種類の症状があり、赤いブツブツができ痒みやチクチクした軽い痛みを生じる“紅色汗疹(こうしょくかんしん)”と透明な水ぶくれができ自覚症状はあまり感じない”水晶様汗疹”があります。あせもの中で最も多いのが紅色汗疹で、特に汗をかきやすい赤ちゃんにできやすく、腋の下や首回りなどこすれ合う部分に多く見られます。
次回は対策と対処法についてご説明いたします☺
2019年8月30日
流行中「手足口病」について②
前回に引き続き日常生活での注意についてご紹介したいと思います。
一般的な感染対策は、接触感染を予防するために手洗いをしっかりとすることと、排泄物を適切に処理することです。
手足口病は、治った後も比較的長い期間便の中にウイルスが排泄されますし、また、感染しても発病しないままウイルスを
排泄している場合もあると考えられることから、日頃からのしっかりとした手洗いが大切です。
おむつを交換する時には、排泄物を適切に処理し、しっかりと手洗いをしてください。
手洗いは流水と石けんで十分に行ってください。また、タオルの共用はしないようにしましょう。
消毒についてはアルコール系の効果は期待できませんので、熱湯なら98℃15分以上、消毒剤なら次亜塩素酸系の物を使用しましょう。
(アルコールでも手ピカジェルなどの酸性アルコールは有効とされています。)
「手足口病」といっても症状がでる範囲は時に臀部や大腿部など疾患名と関係のない場所にも出現することがあります。この疾患に
限らす皮膚症状は似ていても別の疾患であることがございます。自己判断で治療をしてしまうとかえって症状が悪化してしまうことも
ございます。皮膚にポツポツができた、赤い発疹がある、など些細なことでも構いません。気になる場合は受診しましょう。
2019年8月23日流行中「手足口病」について①
手足口病
手足口病は、口の中や、手足などに水疱性の発疹が出る、ウイルスの感染によって起こる感染症です。
子どもを中心に、主に夏に流行します。
症状
感染してから3~5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹が出ます。口の
なかの水疱がやぶれて口内炎になると痛みがでて、食事や水分がとりにくくなり、脱水症状を起こす
ことがあります。発熱は約3分の1にみられますが、あまり高くならないことがほとんどであり、高熱が
続くことは通常はありません。ほとんどの発病者は、数日間のうちに治る病気です。
※写真はイメージです。症状の出現は個人差がございます。また、手・足・口以外の部位にも症状がでる
こともあります。自己判断せず受診して医師の診断を受けましょう。
原因
病気の原因となるウイルスは、主にコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71(EV71)で、
その他、コクサッキーウイルスA10などが原因になることもあります。感染経路は、飛沫感染、接触感染、
糞口感染(便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです)が知られています。潜伏期間は、3~5日です。
治療
手足口病にはワクチンはなく、特別な治療方法はありません。症状に応じた対処療法となります。
水疱がジュクジュクしていたりかゆみが強い時などは皮膚科に受診することをおすすめいたします。子供の場合、
掻きむしることで「とびひ」になってしまう可能性もあるため皮膚症状が出現した際は受診しましょう。
また、痒みや水疱があっても手足口病ではないこともございます。まずは受診して医師による適切な診断を受けてから治療を開始しましょう。
次回はに日常生活での注意についてご紹介したいと思います。
2019年8月16日夏の肌トラブル④
〇予防〇
汗をかいたら早めにタオルで拭きましょう。綿や絹などの天然素材のものがおすすめです。また、ぬるめのお湯でシャワー浴をして肌を清潔に保ちましょう。衣類は通気性・吸湿性のいい素材のものを身につけましょう。室温は夏であれば26〜27度程度に保ち、エアコンの風は直接当たらないように向きを調整しましょう。
○おまけの話○
その1.「汗かぶれ」と「汗疹」の違い
「汗かぶれ」は汗が刺激となってかいてしまい、炎症を起こした状態の疾患です。あせもと似た症状ですが本来の「あせも」とは異なる疾患です。汗かぶれも汗疹と同様に予防をすることが大事です。かゆみやかぶれが気になるようであれば一度ご受診していただき、症状に合わせてステロイド外用剤などで治療していきます。
その2.アトピー性皮膚炎と汗疹
アトピー性皮膚炎も汗疹も湿疹・かゆみといった症状がでます。アトピー性皮膚炎の方は皮膚のバリア機能が弱っているため、汗はもちろん、ひっかいたり、こすったり、肌への刺激や石鹸、化粧品、紫外線などによっても悪化する場合があります。バリア機能が低下すると、「体の防護壁」に穴が開いた状態になり、細菌など外敵の侵入を許してしまいます。つまりアトピー性皮膚炎をお持ちの方は汗疹や汗かぶれといった肌トラブルになりやすい状態です。季節を問わず保湿を意識し皮膚の清潔を保つことが大切です。
2019年8月9日